ソーラーパネル、一般住宅に設置義務化。東京都で2025年から

2022.12.29
ソーラーパネル、一般住宅に設置義務化。東京都で2025年から

新築戸建て住宅、マンションへのソーラーパネルの設置義務化が、東京都の条例改正で決まりました。施行は2025年4月。一般の戸建て住宅にソーラーパネルの設置が義務付けられるのは全国初です。

※2022年12月の情報に基づいてます。最新の情報は東京都HPをご確認ください。

ソーラーパネル(太陽光パネル)の設置義務化。対象となる建物は?

都の条例で設置義務の対象となるのは戸建てやマンションで、延床面積が2000m2未満の新築です。設置の義務が生じるのは販売業者や住宅メーカーですが、 都内での年間施工販売実績が延べ床面積で2万平方メートル以上の会社に絞られるため、すべての住宅メーカーが対象となるわけではありません。

東京都にて義務化の対象となる建物

さらに、上の条件に当てはまった建物はすべてソーラーパネルを設置しなければならないということではなく、その建物の立地条件によってソーラーパネルを設置すべき建物の割合が決まります。

この割合は、地域の日照量に応じて区分され、高層ビルに囲まれる都心部は30%、逆に低層住宅が広がる地域は85%というように設定されます。

このようにして、事業者(住宅メーカー、販売業者など)が供給する住宅棟数に応じて「再エネ設置基準」が算定され、これを事業者は達成していくことになります。

 ●再エネ設置基準の計算式

 ソーラーパネルを設置した棟数 × 日当たりの条件に応じた係数(算定基準率) ×2kW/棟

上記の計算で算出された発電容量目安で、達成状況を東京都に報告することが義務づけられます。

義務化の背景

温室効果ガスによる気候変動で災害リスクが高まり、実際に自然災害でエネルギーライフラインが断たれるケースが度々報道されています。

東京都はエネルギーの大消費地として、その責務の一環として『2030年カーボンハーフ』を表明しました。『2030年カーボンハーフ』とは、排出する温室効果ガスを2030年までに半減させるという目標です。

その計画において、自ら発電できるソーラーパネルは重要な技術と位置づけ、今回の義務化の条例改正に至りました。

また最近、世界情勢の変化によるエネルギーの高騰が身近な問題になり、エネルギーの安定供給は市民の生活や企業活動にとってもますます大事な課題になりました。そのような面からも太陽光発電設備はますます注目されています。

川崎市も25年度の設置義務化を目指しているので、今後ソーラーパネルの設置義務化は全国的にスタンダードになる可能性があります。

新築という大きな市場でのソーラーパネルの義務化には以下のメリットがあります。

・太陽光発電のメリットをより発揮できるよう事業者による商品・サービス開発が進む

・太陽光発電設備付きの住宅の標準化が進み、都民の皆様の選択肢が増える

『太陽光発電設置 解体新書』https://www.kankyo.metro.tokyo.lg.jp/climate/solar_portal/faq.files/factsheet.pdf