住宅ブランド「光と風設計社」の設立。ライフスタイルショップや複合商業施設のオープンなど、さまざまな観点から暮らしをアプローチする株式会社ジーエムコーポレーション。根源にあるのは、「光と風を感じる心地よい暮らし」です
創造する新しい風景と変わらない風景
「光と風設計社」の設立の経緯と、家づくりに対する想いをお聞かせください。
私は父と同じように建築の道に進み、設計の世界で切磋琢磨したのち、山梨に戻ってきました。そのとき、自然環境が豊かで、庭も確保できた新築の家が、昼間からカーテンを閉めたり、電気を灯けているのを目の当たりにし、疑問を感じたことがきっかけで「光と風設計社」を設立しました。機能・性能としては良いお宅かもしれませんが、本当の意味で人が心豊かに暮らせる家なのか?というと、そうではないと思いました。とかく今の世の中は、性能や数値を示して快適さを求めます。それももちろん大事ですが、それ以上に心が豊かになることが大切で、癒されたり、ほっとしたり、気持ちで感じることこそ心の豊かさであり、幸せに暮らせることなのではないかと感じます。きっとそこには「光」と「風」を感じる暮らしがあり、家族が幸せになる源泉があるはずです。景色やその場所の空気感や「光」と「風」を感じながら、外と家の中をつなぐ心地よさや、自然を取り込んで永く愛着を持って住んでいける家を提供したい、それが「光と風設計社」のスタイルです。
秘めたのは、肌で感じるライフスタイル
空間やライフスタイルを取り込んだ家づくりを先駆けて行ってきたイメージがありますが、大切にしていることは何でしょう。
奇をてらった新しいデザインを追ったり、消費されるデザインや意味のないデザインはしないように心掛けています。日本の住文化は消費サイクルが短くて、本当に永く愛着を持って使っていくのが一番のエコだと思っているので、そのときのインパクトやデザインで惹きつけるのでもなく、今流行りのスタイルを取り入れたりもしない家づくりをしています。
弊社では、ライフスタイルヒアリングと呼んでいますが、ものとして何を創りたいかよりも、どんな暮らしをそこでしたいのか?家族で一番大切にしたいことは何か?をお聞きし、30年50年経っても変わらない美しさ、ロングライフデザインを考えていきます。デザインではなく、空間の質を追求し、愛着が増していくものへ。時代が変わっても色褪せないデザインは、大事な要素なのです。
暮らしを設計する設計士
設計士による無料相談会など、設計士さんが主体となって家づくりを行う理由をお聞かせください。
お客様の知りたい内容は、もちろん家づくりのこと。土地をどう活かすのか、どんな家を建てるのか、どんな間取りにするのか、そんな相談ができるとお客様は安心すると思います。弊社は、庭も家具もトータルして、敷地全体を活かす提案をしているため、お客様の想いを形にする設計力が重要だと考え、お客様が初めて訪れた“入り口”の段階から、営業ではなく設計士が対応いたします。“入り口”で話を聞いていれば、想いを組みながらプランができますし、担当が変わるたびに同じことを繰り返し話さなければならないというお客様の負担も減ります。また、設計を分断した結果、つながった家になっていかないことを避けるためでもあるのです。もちろんお金の相談も乗れるように知識を磨き、土地選びも設計士が担当するんですよ。「こんな向きにして、こんな景色を見たら、こう家を活かせる」という想いから、間取りにつなげプランを固め、図面を描きながら細かい仕様の打ち合わせをしていきます。“入り口”の構想をカタチにする設計士と施工的な実務を行う設計士に分け、「0から最後まで設計士が関わる」形態で家づくりを行っています。
作り手のストーリーに触れられる本当に良いと想える「もの」との出会いと非日常を味わえる空間
「光と風マーケットコート」を併設した理由と、その魅力を教えてください。
また、マーケットコートを通してお客様に何を伝えていきたいお考えですか。
ただ器としての建物ではなく、家づくりは家具や雑貨など暮らしの「もの」や、庭を眺めたり、外の視線を気にせず暮らせる「こと」も大切で、より多くの人に「光と風を感じる心地よい暮らし」を体感してほしいという想いからうまれました。マーケットコート内には、カフェ・ベーカリー・ガーデンショップからエステサロン・美容室、そして家具・インテリアを扱うライフスタイルストアなど、さまざまなご縁でつながった「もの」や「こと」が並ぶ10施設が点在し、人にとって生活していく上で欠かせない「衣・食・住」にスポットを当てています。
自然の恵を味わいながら、暮らしの豊かさをこの場所で体感してもらうことで、家でもこんな暮らしをしたいと感じてほしいのです。モノや娯楽でお金と時間を消費するのではなく、本当の豊かさとは満ち足りた感情です。人によって心を満たされる欲求は違いますが、ふとした瞬間に、優しい気持ちや肩肘張らない等身大の自分になれるような、そんな気持ちのお手伝いになれれば嬉しいですね。今後の展開として、より外の中のつながりを曖昧にして、光と風を感じながら、非日常を味わえる空間にしていきます。